ロックと悪魔 第7回 宗教改革と善悪二元論黒木朋興

異端の時代  前回はヨアキムの思想が現代社会に対していかなる影響を及ぼしたかをみた。 ヨアキムの生きた12世紀以降、異端諸派が次々と出現し勢力を拡大し始める。前回までに触れたカタリ派の他に、ピエール・ヴァルドー(1140 … Continue reading ロックと悪魔 第7回 宗教改革と善悪二元論

ロックと悪魔 第6回 宗教改革前史黒木朋興

前回は中世における悪魔譚のいくつかを紹介しキリスト教会の悪魔に対する姿勢を概観することによって、全能の神が創造したこの世界における悪の存在をどう理解するか、というキリスト教において伝統的な難問=アポリアについて考察した。 … Continue reading ロックと悪魔 第6回 宗教改革前史

ロックと悪魔 第5回 ヨーロッパ中世、物語の中の悪魔黒木朋興

今回は時代を少し下って12世紀以降の中世に物語において描かれる悪魔について見てみたい。この時代の物語は、基本的には昔話の類で作者は不詳であり、編纂者が人々の間で語り継がれている話を書き留めた形で現在に残っていることをまず … Continue reading ロックと悪魔 第5回 ヨーロッパ中世、物語の中の悪魔

ロックと悪魔 第4回 初期キリスト教とヘレニズム思想黒木朋興

前回述べたように、古代メソポタミア神話やゾロアスター教は「ヨハネの黙示録」に影響を与え、二元論の刻印を聖書に残すことになった。さらに、その後においても二元論は様々な形でキリスト教思想に影響を及ぼし続けることになる。そこに … Continue reading ロックと悪魔 第4回 初期キリスト教とヘレニズム思想

ロックと悪魔 第3回 ペルシア、インド、メソポタミア地方の神と悪魔黒木朋興

前回は旧約聖書まで遡って、主にサタンが、どのようにして神に戦いを挑む悪魔、という存在になっていったかについて述べた。今回は、「悪魔」と訳される英語「 devil」、フランス語「diable」あるいは英語「demon」、フ … Continue reading ロックと悪魔 第3回 ペルシア、インド、メソポタミア地方の神と悪魔

ロックと悪魔 第2回 聖書の中の悪魔黒木朋興

旧約聖書の悪魔 サタンについて まず、旧約聖書における悪魔の表記について見てみよう。古い時期においても既に「サタン」=「satan」(ヘブライ語で「שטן」、なおヘブライ語はアラビア語と同じく右から左に読む)の表記が見受 … Continue reading ロックと悪魔 第2回 聖書の中の悪魔