『経済学・哲学草稿』を読む 第1回 なぜ『経済学・哲学草稿』を取上げるのか田上孝一

20回の長きに渡って倫理学入門のコラムを連載したように、20代の頃から既に四半世紀もの間、大学で倫理学を教え続けている。一般向けの倫理学入門書としては丁度10年前の2010年に、日本実業出版社から『本当にわかる倫理学』を … Continue reading 『経済学・哲学草稿』を読む 第1回 なぜ『経済学・哲学草稿』を取上げるのか

政治支配を考える─マルクスを中心に─田上孝一

前回と前々回のコラムで紹介したように、ここ最近は編著を数多く出している。前回の『権利の哲学入門』は2017年、前々回の『原子論の可能性』は2018年に出版した。そしてつい最近も、『徳と政治』という共編著を出した。この本は … Continue reading 政治支配を考える─マルクスを中心に─

楽しく学ぶ倫理学 第20回  動物権利論の実践的帰結田上孝一

前回の連載で、もし我々が人権を尊ぶのならば、論理的必然として同時に動物の権利も尊重しないといけないと提起した。しかしこうした動物権利論の提唱には当然、大きな反発があろう。それは無理だし、土台絵空事だというように。ところが … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第20回  動物権利論の実践的帰結

楽しく学ぶ倫理学 第19回  種差別主義批判から動物の権利へ田上孝一

奴隷制を絶対に許さないという現代社会の常識は、人間にとっての権利の絶対的必要性という、はっきりした倫理学的提言に帰結することを見た。このような権利を重視する方向に親和的な規範倫理学上の立場は言うまでもなく義務論であり、義 … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第19回  種差別主義批判から動物の権利へ

楽しく学ぶ倫理学 第18回 権利的存在としての人間田上孝一

擬制としての価値  前回述べたように、価値が対象それ自体に内在するものではなく、人間が対象に与える意味だとすると、価値あるものは人間にとって専ら有用なもの、もっと端的には人間にとって有利なもののみとなるはずである。人間に … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第18回 権利的存在としての人間

楽しく学ぶ倫理学 第17回 自然の中にある人間田上孝一

環境中心主義の位置 前回予告したように、今回は環境倫理学の話から始めたい。 環境倫理学の中心的意図は、世界の中での人間の位置の相対化にある。これは実は、環境倫理学がその名に反して、環境という語の常識的意味を否定することに … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第17回 自然の中にある人間

楽しく学ぶ倫理学 第16回 人間中心主義の再審田上孝一

ヒューマニズムと人間中心主義の異同 規範倫理学の立場として、功利主義・義務論・徳倫理学の三つがあると、現代の倫理学研究では広く主張されているが、実際は功利主義も義務論も個人倫理という次元においては徳を重視する議論には変わ … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第16回 人間中心主義の再審