アゴラまでまだ少し
第1回 ピューロランドに陽は落ちて
葛生賢治

このエッセイでは私のアメリカ・日本での経験をふまえながらも、それから少し離れてより社会的・文化的な現象を語っていければと思います。文化的な現象の中にこそ哲学的な出来事が起きている、との持論からタイトルは「アゴラまでまだ少 … Continue reading アゴラまでまだ少し
第1回 ピューロランドに陽は落ちて

楽しく学ぶ倫理学 第6回 ミレトス学派の意義(西洋古代倫理学小史その2)田上孝一

ミレトス学派の展開 ミレトスの地で、タレスを乗り越えたのは弟子のアナクシマンドロスである。アナクシマンドロスは、アルケーが水であるという師の説に、決定的な思考の不足を見出した。そもそもアルケーというのはどういう考えなのか … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第6回 ミレトス学派の意義(西洋古代倫理学小史その2)

バター抜きは「ドライ」 第8回 魔の登山、他者の言葉と太郎夫妻葛生賢治

「驚いたわよ、ケンジ。あなたが最初に書いたことと比べたら今回のものは別次元で。一体どこへ行ってきたっていうの?」 セミナーが終わり、教室を出ると友達が話しかけてきた。そのセミナーは、卒業に向けて後は博士論文の執筆のみ、と … Continue reading バター抜きは「ドライ」 第8回 魔の登山、他者の言葉と太郎夫妻

巨匠フルトヴェングラーの「名盤」の真相 第一回 「バイロイトの第九」の「真相」本間俊哉

巨匠フルトヴェングラー(一八八六年生、一九五四年没)の数ある録音の中でも、最も声望の高いものといえば《バイロイトの第九》であろう。一九五一年七月二九日、バイロイト祝祭が第二次大戦後に再開された折の、記念演奏会の演奏記録で … Continue reading 巨匠フルトヴェングラーの「名盤」の真相 第一回 「バイロイトの第九」の「真相」

バター抜きは「ドライ」 第7回 妄想の摩天楼、あるいは王様のブランチと愛の物語葛生賢治

ときどき、何をどう間違ったのか僕のことをつかまえて「かっこいい」なんて言ってくれる人がいたりする。 「かっこいい」という形容詞が似合わない世界大会などがあれば北半球地区で5位くらいに入る自信があるのだが。何故だろう。おそ … Continue reading バター抜きは「ドライ」 第7回 妄想の摩天楼、あるいは王様のブランチと愛の物語

十分でわかる日本古典文化のキモ 第3回 『古今和歌集』仮名序と『土佐日記』(上)助川幸逸郎

○「日本人の語学下手」は宿命なのか? 「日本人は宿命的に英語が苦手である」――そんな意味の言葉を、私たちは毎日のように耳にします。 曰く、「英語では、動詞の後に目的語が来る。中国語はこの点、英語と同じだが、日本語では動詞 … Continue reading 十分でわかる日本古典文化のキモ 第3回 『古今和歌集』仮名序と『土佐日記』(上)

ロックと悪魔 第5回 ヨーロッパ中世、物語の中の悪魔黒木朋興

今回は時代を少し下って12世紀以降の中世に物語において描かれる悪魔について見てみたい。この時代の物語は、基本的には昔話の類で作者は不詳であり、編纂者が人々の間で語り継がれている話を書き留めた形で現在に残っていることをまず … Continue reading ロックと悪魔 第5回 ヨーロッパ中世、物語の中の悪魔

バター抜きは「ドライ」 第6回 落下するクジラと、濁流の向こう岸と葛生賢治

世界があるとき突然、全く別の顔を持つものとして現れる。 そんな経験は、「別の世界が現れる」というより、自分がそれまでと全く違う世界にいることに後から気づく、というのに近い。気づいてみて初めて、ああ自分は少し前からもう別の … Continue reading バター抜きは「ドライ」 第6回 落下するクジラと、濁流の向こう岸と

楽しく学ぶ倫理学 第5回 神話から哲学へ(西洋古代倫理学小史その一)田上孝一

これまでの連載では、倫理学は行為の選択基準である規範を考察対象とする学問であるとした上で、倫理学と宗教や哲学との関係を説明した。これにより倫理学の中心問題は人間であり、人間による人間のための学問であることが明らかになった … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第5回 神話から哲学へ(西洋古代倫理学小史その一)

バター抜きは「ドライ」 第5回 ピザにまつわるエトセトラ、あるいは矛と盾のラプソディー葛生賢治

ニューヨークで坂本龍一さんと握手したことがある。 「坂本龍一さん」なんて気安く呼ぶと、まるで僕があの世界のサカモトと知り合いのような印象を受けるかもしれないけれど、そんなことは全くなくて。ニューヨークにある日本人組織「ジ … Continue reading バター抜きは「ドライ」 第5回 ピザにまつわるエトセトラ、あるいは矛と盾のラプソディー