マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─田上孝一

 来年の2024年2月に法政大学出版局から刊行予定の共編著(仮題『普遍主義の可能性/不可能性』)に「マルクスにおける普遍と特殊」という章を執筆した。  様々な視点から普遍主義と特殊主義の関係を考察しようとする論集だが、一 … Continue reading マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─

社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ田上孝一

 「マルクス主義」という言葉は今日でも使われているが、「マルクス=レーニン主義」という言葉は殆ど聞かなくなった。自らをマルクス主義者だと規定する人々はある程度いるものの、マルクス=レーニン主義者だと自称する人が極端に少な … Continue reading 社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ

社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)田上孝一

 『ゴータ綱領批判』は1875年で、マルクスが亡くなるのが1883年なので、晩年の著作と呼んでいいと思うが、その社会主義というか共産主義論は、1867年の『資本論』第一巻と共通するところもあれば異なるところもある。当然マ … Continue reading 社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)

社会主義入門 第六回 マルクスの社会主義思想(その3)田上孝一

 さて、マルクスの社会主義(共産主義)に対する代表的な言及としては、『経済学・哲学草稿』や『ドイツ・イデオロギー』という初期著作におけるものと『資本論』での有名な文章、そして最終的な完成形としての『ゴータ綱領批判』のゲノ … Continue reading 社会主義入門 第六回 マルクスの社会主義思想(その3)

社会主義入門 第五回 マルクスの社会主義思想(その2)田上孝一

 マルクスが最も詳しく社会主義論を展開した『パリ草稿』だが、社会主義論は主として『経済学・哲学草稿』の「第三草稿」と「ミル・ノート」で展開される。『経済学・哲学草稿』は主に三つの草稿群からなるが、「第二草稿」は短い断章以 … Continue reading 社会主義入門 第五回 マルクスの社会主義思想(その2)

社会主義入門 第四回 マルクスの社会主義思想(その1)田上孝一

 マルクス以前の社会主義思潮を瞥見し終えたところで、いよいよ本書の中心内容であり、社会主義を考えるに際しての前提的立場となるマルクスの社会主義思想を概説する段となった。ここで注意しなければいけないのは、本書が重視するのは … Continue reading 社会主義入門 第四回 マルクスの社会主義思想(その1)

社会主義入門 第三回 マルクス以前の社会主義思潮田上孝一

 本書で中心的なテーマとして解説し、望ましいものとして提起する社会主義像はマルクスによるものだが、社会主義は言うまでもなくマルクスの専売特許ではなく、マルクス以前にも以後にも多様な形で存在したし、今もしている。そこで当然 … Continue reading 社会主義入門 第三回 マルクス以前の社会主義思潮

社会主義入門 第二回 社会主義をどう位置付けるか田上孝一

前章で、環境問題に代表される資本主義ならではの問題の解決が求められているが、これまでのようにあくまで資本主義内部での改良方法の提示という暗黙の前提が崩れてきて、資本主義それ自体を問い直し変革してゆくという問題意識が増大し … Continue reading 社会主義入門 第二回 社会主義をどう位置付けるか

社会主義入門 第一回 今なぜ社会主義なのか田上孝一

これからの社会はどうなるのか、そしてどうなるべきなのかについて、現在では思考の大前提が変わりつつあるように思われる。 今から五十余年前、1960年代から70年代にかけては、世界的に反体制運動が盛んだった。「反体制運動」に … Continue reading 社会主義入門 第一回 今なぜ社会主義なのか

『経済学・哲学草稿』を読む 第2回 『経済学・哲学草稿』とはどのような著作なのか田上孝一

これから『経済学・哲学草稿』の主要内容を具体的に本文を引用しながら解説してゆくことにするが、そもそもこの『経済学・哲学草稿』はどのような著作なのかということから始める必要がある。というのも、『経済学・哲学草稿』はタイトル … Continue reading 『経済学・哲学草稿』を読む 第2回 『経済学・哲学草稿』とはどのような著作なのか