楽しく学ぶ倫理学 第15回 徳倫理学という問題設定田上孝一

これまで見てきたように、規範倫理学の代表的な立場としては功利主義と義務論があり、それぞれ理論的な魅力と問題点を抱えているのを見たわけだが、近年この二つに加えるにいわば第三の立場として、徳倫理学が台頭してきている。しかしこ … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第15回 徳倫理学という問題設定

楽しく学ぶ倫理学 第14回 義務論の可能性と限界田上孝一

義務論の可能性 前回見たように、功利原則は倫理規範である前に我々の行動の原理なので、これを規範として掲げる功利主義は分かり易いし、無理なく実践の指標とすることができる。しかし功利主義は終始一貫打算的というか、損得勘定で物 … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第14回 義務論の可能性と限界

楽しく学ぶ倫理学 第13回 功利主義の可能性と限界田上孝一

これまで8回にわたって西洋古代倫理学の歴史をたどってきた。倫理学の原型を確かめるためであった。そして確かに、古の教えはしっかりと現代の倫理学に継承されている。この成果を踏まえて、これからは現代の倫理学について論じていきた … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第13回 功利主義の可能性と限界

楽しく学ぶ倫理学 第12回 禁欲と義務(西洋古代倫理学小史その八)田上孝一

エピクロスは快楽の量と質を測り、結果的にはむしろ苦痛のない状態こそがアタラクシアをもたらすと考えて、肉体的な快楽を積極的に追求するのではなく、精神的な快楽を重視した。その意味で、エピクロスの方法論は、後世のベンタムを全く … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第12回 禁欲と義務(西洋古代倫理学小史その八)

楽しく学ぶ倫理学 第11回 快楽と自由の原子論(西洋古代倫理学小史その七)田上孝一

現在、規範倫理学の代表的な立場として、功利主義と義務論があると考えられている。ここに徳倫理学が入るかどうかは論争の余地があるが、功利主義と義務論が二大学説なのは間違いない。 功利主義も義務論も、共に近代になって唱えられた … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第11回 快楽と自由の原子論(西洋古代倫理学小史その七)

楽しく学ぶ倫理学 第10回 プラトンからアリストテレスへ(西洋古代倫理学小史その六)田上孝一

絶対的な価値の探求   ソクラテスとプラトン 哲学史では一般に「ソクラテス以前以後」という言う方をするくらい、ソクラテスが特別に重要な哲学者だと考えられているが、ソクラテスはユニークな人格の多い古代ギリシアの哲 … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第10回 プラトンからアリストテレスへ(西洋古代倫理学小史その六)

楽しく学ぶ倫理学 第9回 ソクラテスの規範(西洋古代倫理学小史その五)田上孝一

ソクラテスのよる規範の選択について考えるに際して、興味深い素材となるのは、弟子の一人であるクセノポンの『(ソクラテスの)思い出』に出てくる、プロディコスというソフィストの話である。この本の中でソクラテスは、プロディコスの … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第9回 ソクラテスの規範(西洋古代倫理学小史その五)

楽しく学ぶ倫理学 第8回 最初の倫理学(西洋古代倫理学小史その四) 田上孝一

人間中心主義者としてのソフィスト ソフィストというのは「知者」という意味である。彼らは自らの知識を貴族や有力な市民及びその子弟に教授して、収入を得ていた。その主要な科目は、弁論術である。従ってソフィストとは一言でいって、 … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第8回 最初の倫理学(西洋古代倫理学小史その四) 

楽しく学ぶ倫理学 第7回 最初の倫理学(西洋古代倫理学小史その三) 田上孝一

世界の起源と本質を、神や精霊といったものを持ち出さずに説明しようと試みられるようになり、哲学が始まった。そして、人間が生きる意味や善悪といったものに関して哲学と同じように、人々が神話を持ち出すことを辞めて合理的に説明しよ … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第7回 最初の倫理学(西洋古代倫理学小史その三) 

楽しく学ぶ倫理学 第6回 ミレトス学派の意義(西洋古代倫理学小史その2)田上孝一

ミレトス学派の展開 ミレトスの地で、タレスを乗り越えたのは弟子のアナクシマンドロスである。アナクシマンドロスは、アルケーが水であるという師の説に、決定的な思考の不足を見出した。そもそもアルケーというのはどういう考えなのか … Continue reading 楽しく学ぶ倫理学 第6回 ミレトス学派の意義(西洋古代倫理学小史その2)